鉢よりも、 小くても庭がよい
───────────────M邸の設計仕様────────────────
家に関しては「基本性能の確保」が最重点課題。
基礎:安心できる地盤と基礎の上にこそ建てる価値あり。
(Laid a foundention upon the rock)
(過去2回のわが家の建築では2回とも家が傾いた)
思案の末、床下を全部埋める方式。
土間コン床スラブ工法(省エネ、防虫、耐久性、湿気対策、断熱性
耐震性に効果)を採用。(単純にはベタ基礎というが布基礎と混同する)
基礎部分には明るいタイルを使う事により家の外観を引き立てる。
基本性能
1遮音性を高める
住まいの不満46%は遮音性(室内外)2位は断熱性(建設省住宅満足度調
家に対する満足度、先進国開発国13国中、日本は12位。
特に都会では24時間の騒音対策が必要。
将来の「在宅勤務時代」を予測して仕事場としての基本機能からも必要。
音は入れない、出さない。窓を二重ガラス、断熱材100ミリにして半減。
機密性を高めるために換気扇を密閉型にし、隣家に近い方角は窓なしか
一時使用の部屋にして、隣家との間取り、生活時間の差にも対応。
1Fと2Fの間の床には防音シ-ト、1Fの天井には防震吊具を使用。
2防虫
入れない、住まわせないの対策。
※白蟻対策は土間コン床スラブ工法で解決。
※ゴキブリ対策(これなくして快適な住まいとは言えない)。
すべての窓に防虫網戸使用。全室湿気対策(下記参照)。
排水溝立ち上がり部分に注意。⇒「G-ZER 大作戦」で解決
換気扇:密閉型以外は排気口に防虫網10メッシュを使用。
流し台の排水パイプ周辺が侵入口となりやすいが土間コン床スラブ
工法で解決。
玄関、勝手口のドアのパッキン部分の機密性の確保。補習。
2×4工法により壁裏の機密性が確保できる
(省エネ、防火、耐久性と関連)
生ゴミ対策:牛乳パックで密閉。
湿気対策
夏60%以下、冬50%以下にするためには(ダニ対策とも関連)
クッキングヒ-タ-の使用、スト-ブ等、灯油、ガスを室内で直接使わない。 (石油、ガス使用による水蒸気の発生と空気の汚染の回避)
風呂はタイルを使用しない(壁内結露の発生)2時間タイマ-付換気扇の
使用。洗面所トイレなどに自動換気装置。湿気対策は防虫だけでなく健康
(風邪、アレルギ-疾患等)家の耐久性(壁内結露の防止)に関連。
防犯
塀を作らない(泥棒が隠れる場所を作らない、近所とのオ-プンコミュニ
ケ-ション-他人が立ち寄りにくい家は繁盛しない)無縁帯、親密帯との
接近部分の社会帯を作る。街灯の夜間自動点灯、外からの死角になるところ
は防犯格子をつける。雨戸の使用は留守を明示し内部の密室性を高め逆効果。 実際はあまり使用しないので不要。外回りを広くする事で家全体の広がり感
を出す。
防火
2×4で機密性を高め、ファイヤ-ストップ機能を生かす。
台所には天井に自動消化器を設置。屋内禁煙で、ガス、石油を使わない
ので電気系統以外の発火原因はなくなる。
屋外の南北に散水設備を2カ所設置(1ヵ所は温水、洗車に利用)。
換気
家の高機密化、新建材などからの汚染物質の発散、酸欠などの換気対策。
各電気メ-カ-の「セントラル換気システム」は高くつき一長一短あり。
防音(室内外)防塵、防虫、省エネ、省スペ-ス、換気効率、保守性、
コストパフォ-マンスの問題を解決するため、隙間換気法を採用。
(24時間全日、計画換気は空気が乾燥しすぎたりメンテや音の問題がある)。 台所は独立の換気、天井面の空間利用には現在主流のフ-ド付きは掃除や音、 機密性、デザインの問題も含め良くないため密閉型を利用。
吹き抜けを作らない(匂いが拡散し冷暖効率が悪く空間の無駄、
無駄な空間を作るより、それだけ部屋を広くする。高所のメンテに問題)
日当たり、通風
日本人の好きなテ-マだが、南で採光、北はあきらめる、という考えは方は
しない、北面も西日を斜めから採光する、建物の位置が関係。
注:安易なトップライトの使用は夏暑く(夏、取りつけ部60度)冬寒い。
南に劣らない温度と光が得られる(勿論立地に影響される)
基本的に全室、階段、収納庫、トイレ等どの場所も明るくする。
古典的な日本家屋は環境融合型だから、やたらと開放性を重視するが音も
粉塵もないエヤコンもない時代の発想でパテオドア-の多用は断熱性、
建物の強度を阻害するので採用しない。都会で開放すると煤煙で間違いなく
汚れる。
期間の長い冬(暖房期間は冷房の4倍)を中心に設計、
通風性は人間のためと家の為があるが、パッシブソ-ラやエヤサイクル
には限界があり、いかに省エネをしながら機械に頼るかを課題とする。
家のためには防湿透湿シ-トや乾燥材の使用で湿気対策する。
外部からの風に頼ることよりも室内に空気の淀みが起こりにくい間取り、
家具等の配置を考えることでカビ、ダニ対策。
冷暖房
冷房に関しては熱容量のコントロ-ルの幅の大きい、省エネ型の冷えすぎの
ない静かな機種を選択する、これはメ-カ-を選ぶ事で解決する。
家の側の省エネ、特に夏期においては屋根下の断熱を十分に考慮。
注:屋根下の断熱は十二分にしないと満足な断熱はできない。
エヤコン暖房は欠点だらけ(空気の乾燥、粉塵の拡散、対流による温度差、
高い電気代、音など)なので1Fは初期コストの低い蓄熱式の温湯式床暖房。
2F以上は、200Vのオイルヒ-タ-で均一細かい制御可能な温度を得る。
暖房は冬でも全室24時間、春や秋の快適性が得られる事を基本条件とする。
省エネ
各項目、省マネ-とも関連、コストのかかり過ぎる省エネ設備は省マネ-に、
ならない。省エネは単なるエネルギ-の節約ではなく快適冷暖房、健康空調
にも関連がある、一般住宅では冬期室内と外気との温度差が3~6度程度で
あるが省エネ住宅では10度以上可能である(暖房なしの時)。
条件は暖熱材の厚み(100ミリ)や施工の完全施工(機密性重視)構造体の機密加
工による省エネ対策により太陽電池使用への対応、冷暖房のランニングコスト
時代背景にあった家づくりする。これらの事は、最終的には健康と関係がある、
例えば温度差の少ない家では心臓の負担が少なくなる事や、血圧上昇のの予防、
薄着による静電気の予防などに関係。冬期Tシャツ1枚の生活実現。
(ただしここまでやると暖房費がかさむ)
外観
伝統的、歴史的に評価されて残った美しいデザインである事。
美しさのポイントはシンプルで窓の配列の整理されたもの、窓そのものも美
しくする(間取りに合わせて窓を決める日本式はアンバランスになる)。
四角い総2階(省エネの条件)はボリュ-ム感がでてスペ-スの無駄がなく、 コストも節減できる。塀や木、草でカモフラ-ジュするのでなく家そのもの
が固有の存在感を示す為。「クラッシックジョ-ジアン」のアレンジ型に
する。
色は光や影により変化し風景に溶け込むアクアナチュラルカラ-。
2階の窓の下にはフラワ-ボックスを、外観が奇麗でないと美しい町並みは
出来ない。外壁のタイル使用は壁内部結露の原因になるので使用しない、
ア-リ-アメリカン調のラップサイディングにする。エヤコン外気扇、ガス
ユニット等を隠す。部屋間に緩衝地帯(南北間、上下間)により各部屋の
独立性を確保、通路の省スペ-ス化をはかる。
行動形態を集合と分散独立とに変えることにより家族間の異質のコミュニ
ケーションをすすめ、接触、融合、同質化だけの片寄りを防ぐ。
間取り
すべての部屋を最大限広く、ゆとりを持たせるための工夫をする。
考え方としては間取りでなく「場取り」+基本としてはオ-プンドア-だが音に対して
のプライバシ-の確保。広くとは、だだっ広さでなく、狭さを感じさせない事、 我慢させないこと、固定化、規格化された広さに甘んじないこと(例:トイレ
など)結論として、実際的には基本モジュ-ルに囚われない自由設計にする。
1Fの天上高は270恝(シャンデリアには天上高が必要)。
ドア高さは2m。
10畳ハウスの概念を取り入れ、キッチン、書斎、寝室(ウオークイン6畳
ドレッサースペース付き)すべて10畳です。
リビングは、キッチンより別室で独立、8畳プラスサービスルームです。
イギリスは、寝室とリビングには絶対子供を入れさせないそうです。
耐震性は、総2階の2×4なので、阪神淡路級でも、大丈夫です。
まだまだ、ありますが、また補足します。